2009年10月8日木曜日

昔、昔、スプリンガーは? 

≪イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルの昔、昔のお話し その1≫

台風が東京を通り過ぎ、強風の中、サンサンと太陽の日差しが注がれている。


ここ数日、雨が続いたお陰で日頃じっくり出来ない読書に時間を費やせた。




1週間程前に書いた「興味深い記事 スプリンガーのブリーダーとして」で言及したように、スプリンガーの犬種標準(スタンダード)を理解するのには、まず、スプリンガーの本質が分からなければならない。

スプリンガーの昔、昔、を探ってみた。
イギリスにおけるスプリンガーの初期の歴史を紐解いてみると、400年程前に書かれたEnglish Doggesという本によれば、現在10種類近く存在するスパニエル種はひとまとめで「スパニエル」と呼ばれていたとの記述がある。この本はイヌの歴史学者が度々引用する有名な本である。又、別の本によれば、1392年には既に「スパニエル」に関する記述がある。

面白い事に、イギリスの清教徒であるPilgrim Fathers(ピルグリムファーザーズ)が1620年に英国から米国に渡った船「the Mayflower (メイフラワー号)」に乗っていた2匹の犬の内の1頭がスパニエルだったらしい。因みにもう1頭はマスティフ。果たしてそのスパニエルがスプリンガーだったかどうかは、残念ながら確かめる術は無い。


スパニエルとひとまとめに呼ばれていた後、徐々に異なるタイプのスパニエルが形作られて来た。

中でも「スプリンガー」は中型で均整が取れており、強く、頑丈、敏速に動き、良く働くと定義付けられた。その名は"springing"(飛び立たせる)の言葉から来ており、鳥を飛び立たせ、猟師がその昔は網で捕獲、後に猟銃で仕留める為の役割を担っていた。1910年の記述によれば、猟鳥を発見するとその前で伏せること、すなわちセット(set)する役割を担う犬種がセッター(Setter)である事から、'setters' (セッター)に対比して'springers'(スプリンガー)となったようだ。


当時のKennel Clubの正式な登録名は”English Springers other than Clumbers, Sussex and Field"

(クランバー、サセックス、フィールド以外のイングリッシュ・スプリンガー)という言いにくい長い名前だった。
名前は一転、二転する。
"Norfolk Spaniels (ノーフォークスパニエル)"と呼ばれた時もあった。
Spaniel Clubが「レバー&ホワイトないし、黒のスパニエルで、サセックスやフィールドスパニエルよりも脚が長い」と定義したが、これが初期の犬種標準(スタンダード)である。

Sussex Spaniel(サセックススパニエル)
Field Spaniel(フィールドスパニエル)
Clumber Spaniel (クランバースパニエル)
このNorfolk Spaniel (ノーフォークスパニエル)という名はイングランド東部のNorfolkと地理的関係は全く無い。しかし、ノーフォーク公の一人が所有していたという話しもあるが、結局Sporting Spaniel Societyが異論を唱えて名前をSpringer に戻したという。

先祖はこんなところにあったんですね~。
スパニエルと言っても現在日本のドッグショーでお目に掛れるのはアメリカンコッカースパニエル、イングリッシュコッカースパニエル、クランバースパニエル、スプリンガースパニエルの4犬種のみです。
次回はコッカーとスプリンガーの枝分かれなどについてお話します。
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