2009年11月27日金曜日

ブリーディングの責任

ブリーダーとしてイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルのブリーディング(繁殖)を行っている



犬のブリーディング
一言で言えば交配させて子犬を産ませ、育てる事

でもそんな単純な事ではない


野生界においては牡と牝は本能によって、元気な牝が強い牡を求め
産まれた子供達は強い物だけが生き残る


本来そうあるべきところに人間の手が加わる訳である

人間が行う犬のブリーディング
その場合考えなければならない事は沢山ある

先月初め
興味深い記事 スプリンガーのブリーダーとして

で書いたように、ブリーディングする犬種の本質、本来の目的、犬種標準(スタンダード)を勉強し、深く理解しなければならない

その上で、自分の牝犬が持つ長所、短所を理解すること

そして
より良い、自分が理想とするスプリンガーを目指して、その長所を生かし、短所、欠点を補える相手(牡)を交配させること

何よりもまず忘れていけないのは、健康な犬を交配させるという事

米国のスプリンガーの教本にも以下のような記述がある

「スプリンガーのそしてどの犬種の犬であっても、ブリーディングする場合、ブリーダーとしての責任は注意深く、計画性を持って、制御を持って繁殖を行う事である。自分の犬の血統を絶やさない為、世の中のスプリンガーの頭数を増やす為だけの目的でむやみ勝手に繁殖させる事は許される事では無い。」

又、自分が繁殖した子犬の行き先についてもブリーダーが責任を持たなければならない

産まれた子犬を全て手元に残すのか、何頭かを手元に残し、あとは他の方に販売するのか

販売する場合、適切なオーナーの元へ子犬を送りだす目途が立っているのか

スプリンガーを理解し、最大の興味を持って、信頼出来る飼い主の元へ子犬を送り出す事で

結果として捨て犬や虐待といった事態を回避することが出来るのである


米国に居た時、スプリンガーを飼おうと思い、ブリーダーとコンタクトを取った時の事

何故スプリンガーを飼いたいのか?

犬を飼う環境はどうなのか?

これまで犬を飼った経験は?

家族構成は?

などなど

就職活動のようにプレゼンテーションをしなければならなかった

良いブリーダーは誰にも彼にも犬を売ってくれる訳では無い

これは責任あるブリーダーとして当然の事なのである

米国の教本にもはっきりと記載がある

スプリンガーのオーナー候補の事を良く知ること、どんな家族構成でスプリンガーをどのように飼おうと思っているのか、どのような場所でスプリンガーを飼おうとしているのか、飼う目的は何なのかなど、詳しく調べる事は重要であり、ブリーダーとしての義務である。」

「子犬をただ(無償)であげる事は好ましくない。ただであるが故、飼い主の興味が薄れた時点で次から次へ飼い主が変わり、それによって気性が荒く、問題を抱える不幸な犬を作り出すことになる可能性が高いからである。」


母犬のお腹が大きくなり、出産をし、

順調に成長するように母犬の手助けをしてミルクを飲ませ、

目が見えない産まれたての子犬から、しっかりと自分の脚で歩けるようになるまでの60日間

母犬と共に愛情をかけて育てていくのがブリーダーである私の役目であり、責任である

愛情をかけるからこそ、大事な大事な子達だからこそ、

本当に愛情を持って信頼出来るオーナー様の元へ送り出したいと切に願う

そして、信頼出来るオーナー様の元へ旅立った子は幸せな一生を送ってくれると信じている

そういうオーナー様との出会いがこれからも沢山ありますように


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