English Springer Spaniel
イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
スプリンガーはイギリス原産の鳥猟犬であるが
1920年代イギリスで盛んに繁殖されたこの犬種が
米国に輸出され
現在米国には数多くのブリーダーが存在する
米国から日本に入って来た血統の一つが
今現在の我が犬舎のスプリンガーである
スプリンガーにはショータイプとフィールドタイプと2種類がある
こちらは↓ ショータイプ
今年1月米国アトランタで開催された
スプリンガーのスペシャリティーショーでBOBを獲得した
BIS BISS Wil-Orion's Twenty Twenty "TITUS"
対して
こちらは↓ 英国で毎年開催される世界最大のドッグショー
クラフツで今年BOBになったスプリンガー
(是非クリックして見て下さい)
こちらは↓英国のスプリンガーのチャンピオンシップショー
入賞犬が並んだ写真
(是非クリックして見て下さい)
クラフツもチャンピオンシップショーもドッグショーであるから
これは欧州で言うショータイプなのであるが
限りなくフィールドタイプに近い
ショータイプvsフィールドタイプ
は
アメリカンタイプvsヨーロピアンタイプ
と言い換えても良い位だと私は思う
ちなみに
米国でのフィールドタイプはこちら ↓
字の如く
ショータイプはドッグショーを目的としたチャンピオンタイトルを目指すショードッグであり、
フィールドタイプは鳥猟に使われる猟場を走りまわる猟犬である
ショータイプとフィールドタイプは70年以上も全く違う犬として扱われて来た
どちらが良いのか?
この議論は様々なされて来たが
明らかに言える事は
ショードッグはショーリングにはより良く
フィールドタイプは猟場でより良い
と言う事
海外の様々な記述を読み返してみると
興味深い情報が得られる
まずは外見の違い
上で写真を並べたように外見は明らかに違う
良く「全く違う犬種かと思った」と言われる程の違いである
ボディは
AKC(アメリカンケネルクラブ)の犬種標準(スタンダード)によれば体高牡20インチ(50.8㎝)、牝19インチ(48.3㎝)
ここから1インチ上下までが許容範囲
因みにJKCでは約51㎝
肩から腰までのボディの長さは
き甲の高さよりも若干長い
ボディが長すぎる犬
特にロイン(腰部)が長い犬は
直ぐに疲れてしまうし
スプリンガーの特徴であるコンパクトなアウトラインで無くなってしまう
脚が長くボディが短すぎる犬は
バランスを失い、歩様が制限されてしまう
フィールドタイプの大多数は
脚よりもボディが長い
これはオオカミ、キツネ、コヨーテにみられるように
真四角な形はありえず、働く動物が生き残る為に必要な形が
長いボディということなのである
耳は
長く、広く、立ち上がったり横に出る事無く
頬に沿って垂れている
耳の長さ(毛で無く革の部分)はほぼ鼻の先までで、
耳付きはほぼ目の高さで極端に後ろで無い
とされている
これがショータイプの基準(AKCスタンダード)
対するフィールドタイプのスプリンガーの耳は短く、目の高さよりも高い
短く、高い耳付きは猟場で走り回る際
熱を発散し、水場で泳いだ後の外耳道を乾かすのに役立つ
唇は
決して垂れ下がったり誇張され過ぎたものでは無く、
上唇はいくぶん四角く、下顎を覆う
(AKCスタンダード)
フィールドタイプの上唇は通常下唇の上部までで
決して下顎を覆う事は無い
獲物を咥える妨げにしかならないからである
コート(毛)は
フィールドタイプの場合、ショータイプに比べて
短く、ウエーブのかかったコートである
グルーミングやカットは頻繁には必要無い
気質・気性は
ショーリングに於いて冷静で注意力があり、
審査員による審査において敵意を示したりすくんだりすることが無い
人に対する攻撃性、犬に対する攻撃性は許されない
(AKCスタンダード)
ショーリングに於いて気質・気性は実際審査されない
ショードッグはクレートから出てショーリングに向かい
ショーを終えてクレートに戻るまで
リードを掛けられハンドラーによって制御されている
リング内での触診の場合もいつも決まった動作によるもので
ハンドラーが押さえている
フィールドタイプは当然の事ながら猟場で
常にオフリード(リードを付けない状態)で試されている
面白い事に何年か前
フィールドトライアル(鳥猟犬の演技力を競うスポーツ)とショーの両方で
”オフリード”審査を導入しようとの提案がされた
フィールドトライアルでは歓迎されたものの
結局この提案が直ぐに断ち消えたのは
フィールドが10%に対しショーが90%と圧倒的多数のショー会員に
拒否された為だった
(米国のスプリンガースペシャリティーショーの様子)
(米国スプリンガーナショナル2009の様子)
1932年には既にフィールドタイプとショータイプを分ける記述がある事から
異なるタイプのスプリンガーが70年以上の年月を歩んで来たショードッグが目指す
犬種標準(スタンダード)は身体的外見のスタンダードであり
能力の基準では無い
フィールドタイプの繁殖はその外見を離れ
犬の能力、性能に重きを置いて来たのは当然の事だろう
猟をするのに最適な鼻、口、気性、マーキング能力、訓練性、頭脳、動きなどが重要
これらはショーリングではどれも試されない要素である
猟犬としての能力、性能を求めた結果
短い耳、高い耳付き、短いコート、手入れに手間の掛らないコートになった
このようにフィールドタイプとショータイプが異なる物となって来たのは必然だったと言っても良い位であることが理解出来る
70年以上違うタイプが存在して来た中で
どちらのタイプが好きか
それは人それぞれである
フィールドタイプを猟犬として実際に使っている方もおられるし
ショータイプを猟犬としてお使いになられている方も存じ上げている
勿論、フィールドタイプをファミリードッグとして飼っておられる方もいる
私はショータイプが好きだ
そして
ドッグショーが好きだ
根本にあるのは犬種標準(スタンダード)に則した健全性
そして
ショー"show"が「見せる」物である以上
見せる物はより綺麗でより美しくなければならない
外見の美しさに加え
内面から出る美しさ
それを兼ね備えた
人を魅了出来るスプリンガー
そんなスプリンガーを作りたいしハンドリングしたい
と切に思う
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Brilliance Y. Kennel
E-mail essydog@t01.itscom.net
2 件のコメント:
そんなスプをたくさんつくってね。
我家はどっち?ってことは良く分りませんが、ショ-には綺麗な子に出て欲しいもの。
いつもうっとりするんです。「美しい」って
そして、手をかけてもらっている、って思うの。
それがオ-ナ-さんだったら、なおのこと愛情一杯の賜物ですものね。
サラちゃん、今度一緒に写真撮ってね。
サインもお願い、ってね。
◆花ままさん
はい、繁殖って本当に難しいんです。
だけれど、信念を持って、根気良く続ける事で、きっと素敵なスプリンガーをつくれるはず。
と信じて頑張りますね♪
サラに今度触って下さいね!
人に「可愛い~」って言われるの大好きで、得意げな顔しますから(笑)
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