≪その1≫では、400年以上前に「スパニエル」と総称されていた犬が、「スプリンガー」と呼ばれるまでの経緯をお話した。その続きをお話しよう。
17世紀になるとスパニエルを使う猟師達が、サイズの違いによって異なる猟の使い方をするようになって来た。
より大きめのスパニエルをSpring Gameに使用し
より小さめのスパニエルをWoodcock (ヤマシギ:鳥の一種)の猟に使用するようになった。
この使途の違いにより
大きめのスパニエル → Springing → Springer
小さめのスパニエル → Woodcock →Cocker
が枝分かれすることになったのである。
1892年にEnglish Kennel ClubがEnglish Springer SpanielとEnglish Cocker Spanielを異なる犬種として定めるまで、用途が何なのかという事だけがSpringerとCockerを分ける理由であった。
実際、同じ母胎から生まれたスパニエルを大きさで区別していたのである。故に全般的タイプ、猟の技量、色などが類似しているのは当然の事と言えよう。
English Cocker Spaniel (イングリッシュ・コッカー・スパニエル)
英国における最初のスプリンガー犬舎はSir Thomas Boughey一家によるAqualateであり、これはスプリンガーが一犬種として認識されるより前の1812年まで遡る時期の事である。この犬舎の犬達がDenne やBeechgrove犬舎の血統の祖先に当たる。米国に輸入された初期のスプリンガーが正しくこの系統なのである。Beechgroveは世界で初のスプリンガーのチャンピオン犬を作出した犬舎で、1898年生まれのBeechgrove Willという名のスプリンガーが初のチャンピオン犬で1903年にチャンピオンを完成している。又、Denneからは1914年に初のスプリンガーのFieldチャンピオンが出ている。
1900年代初期のスプリンガーのブリーダーは他にJohn and Godfrey Kent, J.P. Gardner, Colonel Williams, Mr. and Mrs. Lewis Wiganなどがあった。
1920年代になると英国におけるスプリンガーのブリーダーの数が急増し、その活気ある状況下、William HumphreyのHorsford Kennelsが1920年代に多くのスプリンガーを米国とカナダに輸出している。その中からスプリンガーの初の米国チャンピオンが出ているのである。
このように英国でスプリンガーが活気付いたのが1920年代、その頃に米国に渡ったスプリンガー。
我が犬舎のスプリンガーは、米国から渡って来た血統を持っており、当時から既に90年以上の月日が経っているわけである。
コッカーとスプリンガーが同胎だったというのも面白い話しであるが、スプリンガーの歴史を紐解いてみると、長い年月を経て、今、ここに存在するスプリンガーの重みをひしひしと感じるのである。
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